« 草原の記 - 司馬遼太郎 | メイン | ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代 上・中 - ゲーテ »

カーニヴァル化する社会 - 鈴木 謙介

経済学・社会学


GLOCOMの倫理研究会で話を聞いたことがある鈴木さんの本。

宗教や社会、それに国家や家族という枠組みから解体されつつある現代人がどういう精神生活・社会生活を営んでいるか、という点を良くも悪くもあっさりと解析&分析している。

ここでいうカーニヴァル、というのは日常生活にポッと生まれるハイ・テンションな状態のことであり、自己回帰的で何も生み出すことのできなくなりつつ現代人が発作的に何かに没頭する状態を表している。
分かりやすいところだと、にちゃんねるの祭りのようなもの。

著者の鈴木さんが文章を通じて言いかけようとしていることが僕がここのところ考えている事にとっても近く、「あぁ、そうそう」みたいな感じで共感することも多い。社会学の新しい概念なんかは初めて聞くものが多く、とても興味深く読めた。

この書評もなかなか納得。そうそう、メッセージ性って意味では薄いっていうか何もないよね。