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ルバイヤート - オマル・ハイヤーム

小説・詩集


“ルバイヤート”とはペルシャ語で4行詩の意味。
11世紀に生きた賢者、オマル・ハイヤームが友達のために書いたものらしいのだけど、これが相当イイ。

人生の無常を謳いながらも脱宗教していて、それでいて全体的にポジティブな受け止め方をしているところが特徴的。
古代ギリシャ文明と相対するように栄え、脈々と受け継がれてきたペルシャ文化がイスラムの熱狂に蝕まれた時代の人なので、とても洗練された感受性を持っているように思われる。

ヨーロッパに数学や学問的姿勢を持ち込んだのはイスラム文化だと理解されているけれど、まさにそのギリシャ的学問への回帰が行われていた時代なので、思想史で言ってみれば近代へと続く扉に手をかけた人として理解することもできる。