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素顔の白雪姫 - 小澤俊夫

教育・童話


グリム童話の研究者によるグリム童話の成り立ちと、その変移に関する解説。
著者は小沢健二のパパ。

アカデミックな香りがしつつも比較的親しみやすいグリム童話が題材である上に、ユング的解釈をすると~~とか大風呂敷を広げないのでとても素直にグリム兄弟が歩んだ道をたどることが出来る。

なんといってもいばら姫と白雪姫の版ごと比較が面白い。
人々の間で語り伝えられてきた「民話」から読み物としての普遍性が強まった「童話」へと変わっていく姿が目の前で展開されるのはとてもドラマチック。

アカデミックの匂いが強いので飽きやすい人には辛いとは思うのだけれど、グリム童話に興味があるのであればとても面白く読めると思った。