わたしが子どもだったころ - エーリヒ・ケストナー
伝記
なだいなだの本に出てきたので読んでみた。
ケストナーさんの名前はどことなく知っていたのだけど、彼が「点子ちゃんとアントン」の作者だったとは知らなかった。
「ふたりのロッテ」だとか「飛ぶ教室」、それに「エーミールと探偵たち」なんてのは小学生のころに読んだ記憶がある。
なだいなだの本での紹介としては、「資本主義社会が成立していく時代を子どもの視点で描いたもの」というノリで、たしかにそれはその通りで興味深いのだけれど、それ以上にこのケストナー一家とその身の回りの人たちのエピソード、そして何よりもこの才気煥発なケストナー少年の活躍がとてもとても面白い。
お母さんの盲目的に近いともいえる愛情と、それを大人しく受け止めようとするケストナー少年の気持ちの描写はとても心が暖かくなる。