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現代人の論語 - 呉智英

哲学・思想


論語を読みはじめるよい足がかりになってくれた本。

古典的な解釈に対する著者の意見を交えつつ、とても自由な立場から論語を読んでいくことで浮かんでくる孔子像を描いている。

孔子は一番少ない努力で一番効果的なことを表現できる天才だなぁ、と感じた。
あと、頭が良くてかつ世渡り上手なひとはわざわざ苦労してまで大変なことはやらないけれど、人間の原動力として「徳」を求めた孔子はやはり世渡り上手ではなく「人」として難事にあたったのだな、と思う。
真に偉大なことってのは、単純な意味において優れただけの人には成し遂げられないのだろう。

中島敦の「弟子」はやっぱり有名な話なのだな。
また読みたくなった。