DNA - ジェームス・D・ワトソン
サイエンス・テクノロジー
1953年にDNAの2重らせん構造を発見したワトソンによる、発見の50周年記念として企画された本。
遺伝子についての過去50年の動きだけに限らず、メンデルによる発見や人類の歴史など、非常に盛りだくさんの内容。
写真や絵(カラーも!)がふんだんに使われているおかげでDNAのイメージが手っ取り早く分かるのもありがたい。
「遺伝子に関する研究は、いかに悪用される危険があろうとも続けるべきである」という信念を持つ著者の科学者としての誇りが至る所ににじみ出ている。
遺伝病に関する研究にはなかなか感銘を受けた。
資本の潤っている業界にとっての金の山と成りうる研究は、特許なり独占なりの危険があるのはどこでも一緒。
少し冗長的なところがあるけれど、現時点での一般向けの遺伝子本としては最もすぐれた本なのではないか、と思う。