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環境と文明の世界史 - 石弘之、安田喜憲、湯浅赳男

地学・環境学


環境に主眼をおいた文明史を語る対談。

全体的に砂漠的、遊牧民的文明に対するカウンター・カルチャー的存在として、森的、農耕民的文明の存在を語り、それを今後必要とされる思考様式のようなものとして取り上げている。

ヨーロッパが美しいのは、一旦壊してしまった自然を人工的に再構築したからだ、という意見はとても納得できる。
最後の方に対談者の本音が凝縮されていて、これまでの歴史で人類がはめていたわっか(孫悟空における緊箍)のようなものを再構成する必要がある、という意見も、同意。

ただ、これだけ個人が自由を獲得してしまった状態で「じゃ、明日からは使う電気を半分にしましょう~」と言うのはあまりに厳しい。
これ以上酷い方向にいかないように、せめて欲望が暴力的なレベルに達さないようにコントロールするような方法こそが求められているのではないか、と感じた。

唯一気に入らなかったのが、日本の学会的事情をタラタラと語った部分があったりするところかも。