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中世の窓から - 阿部謹也

歴史・考古学


期待していたほどよくはなかったけど、面白い本。

ヨーロッパという、まさに「現代」を生み出したといってもよいほどの文明が越えていった、中世という時代の中へ一歩踏み込んだ観察を行っている。

話の内容としては面白いものばかりなのだけれど、さすがにそれが延々と続くと少し飽きがくる。
とはいえ鐘の話や、伽藍の話、それに中世社会でのお金の存在など、自分でも調べたくなってきてしまうトピックに溢れているのは素晴らしい。

中世から近代へと向かった時代の輪郭のようなものがもう少し具体的に書かれていればよかったかもしれないと思った。