« 環境と文明の世界史 - 石弘之、安田喜憲、湯浅赳男 | メイン | 量子のからみあう宇宙 - アミール・D・アクゼル »

ルーツ - アレックス・ヘイリー (2 & 3) / 3

伝記


クンタ・キンテと、その子供達・孫達の物語。

「結局人間が人間に支配されている限りは幸せになんてなれっこないのだ」

なんといってもチキン・ジョージの話が一番面白い。
彼が他のだんなの家の奴隷に求婚しに行くところの描写はまるでパールバックの「大地」のようだし、イギリスに渡って帰ってきて自由になった一家を新しい地へと導くところも非常に勇気づけられる。

やはり現代は歴史のある時代と比べればまだマシになった時代なのだろうか?
「ルーツ」ではこの世の楽園のように(少なくとも精神的には)描かれている文明のアフリカ的段階の生活がどのようなものだったのか?

現代社会のシステムに対する疑問と同時に、その改善方法について考えさせられる素晴らしい本。