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感情教育 - フローベル

小説・詩集


久しぶりに本を猛烈な勢いで読んだ。

先週末から読み始めて、金曜日の夜、土曜日の朝に上巻を読み終え、夕方に下巻を読み終えた。

人類にとって多感であった時代に、恐らく最も多感と言えるであろう都市、パリに田舎から出てきた多感な青年の周辺の人間や、社会の移り変わりを描く。
途中から、井上靖の「あすなろ物語」と同じような感覚を覚えながらむさぼるように読み進めた。

なんといっても主人公の身の回りの人間模様が一番興味深い。
そしてそれに対する主人公の葛藤・・・。

何度か、村上春樹の初期作品を思い出した。
私見だけど、「風の歌を聴け」の元ネタってこの作品のような気がしてならない。
小説の中で「フローベルが死んじまった作家だからさ」という言葉があるからではなく、小説の輪郭のようなものがどことなく似ていると思う。味付けはアメリカ風だけど。

ああ、これでフローベルの他の作品も読みたくなってしまった・・・。
あと、マルクス・アウレリアルの「自省禄」も