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産業革命と民衆 - 角山栄・村岡健次・川北稔

歴史・考古学


とてもよい。

複数の要素が絡み合って、産業革命が人々の生活の大きなターニングポイントになった描写がとても細かく書かれている。

何よりも、民衆の生活がいかに変わっていったか、という視点で産業革命を捉えようとしているのが新鮮に感じられた。
19世紀がいかに人間の歴史にとって大きな意味を持っていたか、と思わされる。

人間は本質的なところでは変わらないと思う。
だけど、生活習慣や、社会構成、それに家族の存在などによってその人の考え方や価値基準は大きく変わってしまう。
結局われわれは、産業革命という名の事件後の人間という文脈においてしか理解されえないのだと感じた。

マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 」がとても読みたくなった。