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悲しき熱帯 - レヴィ・ストロース

宗教・人類学


後編をようやく読み終えた。

結局前編・後編を合わせて1年くらいかけて読んだことになる・・・。
著者の視点から観察される情景が流れゆくままに過ぎていく。

視覚的な風景と、心情的な風景が極めて重厚な形でこめられていて、ちょっとした風景なのにも関わらず、立ち止まって考えさせられてしまったりする。

ナンビクワラ族(?)の暮らしの描写がとても好きだ。
はじめに「旅や冒険は嫌い」と言っておき、また最後の方で戻ってきたこの議論の中に興味深い点がいくつかあった。

結局人間はその文化や社会の当事者に成り得ない限り、全てを理解するのは不可能なのだ。
これは当たり前のことだけど、これはフィールドワーカーや、旅をして分かったつもりになってしまう我々の浅はかな思考に対して厳しくNOを主張している、と思った。