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2004年04月23日

対称性人類学 カイエ・ソバージュ - 中沢新一


すごい、またもや強烈。

このカイエ・ソヴァージュ・シリーズは読みやすいのがとてもよい。
これまで積み上げてきた、現代的な問題に対して、あるレベルの解答を与えている。

折しも、同時進行で岡本太郎の「美の呪術」を読んでいて、なんだか2冊ともどこかで繋がっている気がしながら読んだ。

仏教的な思想が強い意味を持つ、というのがどこまで正しいのかは分からない(仏教である必要性は、と問われると今の自分では判断できないので)けれど、対象性人類学的な考え方がとてもよく頭に入ってきた。

やっぱり神話最高だぜ!
ってところか・・・。

美の呪力 - 岡本太郎


はじめに出てくる、イヌイットかだれかの石で積んだ人型の像のようなものが強烈なインパクトを与えて、そのあとはひたすら岡本節が続く。

要するに「XXらしさ」という既成概念に捕らわれた瞬間に人間の想像力は失われてしまうのだ、と言っているのだと思う。

「芸術は爆発だ」の前段階として、「漠然とした怒りに似た、ごたまぜな感情」があり、それが人の生きるパワーであったり、何かを作り出すパワーになったりする事も書かれていた。

やっぱり岡本太郎最高。

2004年04月18日

アメリカ以後 - 田中宇


“田中宇の国際ニュース”の田中さんの本。

ここ数十年、ないしは数年間の世界の大きなうねりをそれなりにうまく描いている。
既に読んだことのある、国際のニュースの記事がつじつまがあうように散らばれてたりしていたので速攻で読み終えてしまった。

この人の意見が日本のマスコミの主な論調に・・・なったら面白いけど絶対ならないだろうな・・・。

知られざる傑作 - バルザック


なかなか素晴らしい小説たち。
ポリフォニーの山内さん(グランツーリスモ作った人)が勧めてた。

バルザックの人間喜劇の中から選ばれた短編が5作入っている。
個人的には“ざくろ屋敷”が一番好き。
美しくて、悲しくなってくるような情景描写。
これをビリヤードしながらちょちょいと書いてしまうバルザックは本当にすごい。
きっとアイディアが溢れるように湧いて出て、それをそのまま文章化する能力に長けていたのだろう。

2004年04月11日

光速より速い光 - ジョアオ・マゲイジョ


Title: 光速より速い光 ~アインシュタインに挑む若き科学者の物語
Author: ジョアオ・マゲイジョ
Price: ¥ 2,415
Publisher: NHK出版
Published Date:

立花隆のページと、会社の人のページですすめられてた。

VSL 理論を発表した人の戦闘日記。
イギリスのおかしな大学生活、それに世界中を旅する著者の面白そうな体験談が、真面目な物理の世界と交錯して、本をより楽しいものにしている。

VSL 理論がどんなものか、は誰にでも分かるように説明されているが、それによってどんなメリットがあるのか、に関しては専門書に頼らない限りは分からないかも・・・。

インペリアルの描写がやっぱり面白い。
あんなに悪口を書いておいて、筆者があの大学を去らないのは、やっぱりロンドンの街が持っている楽しさや、居心地の良さが関係しているのかも知れない。

2004年04月08日

日本人は思想したか? - 中沢新一


3人の文化人による対談。

アジア性や、その中でも切り離された感のある日本の風土で生まれた思想や文化、それに宗教に関する意見が所狭しと並んでいる。

人名や書名、思想や論文などの注釈がページの下にあるため、ポインターとしてもなかなか使える。

結局、日本文化はなんだか空洞的な何かが中心にあって、周りにうじゃうじゃものがある様な・・・という、これまでも自力で考えついたようなことをまた考えさせられた。

やっぱり、突出した人物がいたとして、周りのレベルなり、歴史的な土壌がないために、その人物が生かされなかった・・・っていうことの連続なのではないか、と思った。

木綿以前の事 - 柳田国男


ずいぶん前に半分くらいまで読み進めておいて、ここ1週間程度移動中に読み続けて読了。

キロリ、や冬(魂のふゆる季節)、宴会には女性が必要なこと。
麻から木綿への移り変わりなどなど、女性の支店もずいぶんと取り入れられた民俗学の古典。

俳諧に関する部分も確かに面白いのだけど、その道にはとんと疎いので、おもしろさを全部理解できていないかと思うと残念ではある。