鳥葬の国 - 川喜田 二郎
旅行記・写真
とても中身の濃い探検記。
ネパール西北部のチベット文化圏の村で筆者のグループが文化人類学的調査を行っている様子が描かれている。
フィールドワークの苦労の話や、チベット人の気質、それに文化先進国の怠慢・・・。
少し荒っぽい特徴的な文体なのだけれど、慣れてしまった時にはすでにもう読者はその世界の中に引きずり込まれてしまっている。
独特な血縁関係決定の法則で、父性を骨、母性を肉とする説明の部分がとても面白かった。
レヴィ・ストロースの「親族の基本構造」を読もうと思っていたことを思い出した。