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ナウシカ解読 - 稲葉振一郎

哲学・思想


後半部分(死と戦争、それと対談)がよかった。
著述の重心点にナウシカがあるわけではなく、その代わりにユートピア論と政治論を混ぜたようなものがあった気がした。

「つまり、救済というものがドーンとあって、ネオンサインのように輝いているものでないことだけはたしかですね。」

なんて、まさに On Your Mark の世界観。

「人が生きていく」ってどんなことだろうか、とか色々と考えさせられた。
「人は死によってしか救済されえないのかな?」
とか。

中沢新一が言っているような、世界の新しい局面の芽生えを願っている宮崎駿の世界観をそこに見たような気がした。
司馬遼太郎的、博愛的、友愛的思想もチラリと見えた。