ジロ・デ・イタリア 薔薇色の輪舞 / 砂田弓弦

ロードレース写真でおなじみの砂田弓弦さんが22年間撮り続けたジロ・デ・イタリアの写真集。


表紙に使われているのは1999年のパンターニ。1998年にジロとツールのダブルクラウンを達成したパンターニは、1999年のジロでも山岳で圧倒的な力を見せつけてマリア・ローザに袖を通して最終日を迎える。ところがジロ2連覇を目前に控えた朝、ヘマトクリット値が基準値を超えてしまっているとしてパンターニは突如として失格となってしまい、破滅への道を歩み始める・・・。表紙の一枚は、パンターニが最後に輝いていた瞬間と言える。

・・・とかまぁ、ツール・ド・フランスに負けず劣らず様々なエピソードが凝縮したジロ・デ・イタリアの印象的なシーンがたくさん詰め込まれているので、じっくり読んでもよし、暇な時にぺらぺら眺めてもよし、家のオブジェとして飾るもよし、な本に仕上がっていると思う。

「ツール・ド・フランス七月の輪舞」もよかったけど、フランスらしいお祭り的華やかさとゴージャスさに溢れたツールと比較して、より過酷さ・野蛮さ・血の匂いを感じられるジロ・ディ・イタリアの美しさが強調された内容になっているように感じられた。