レーシックを受けてみた (検査編)

手術を受けたテニスのチームメイト達が口を揃えて「素晴らしい!」「人生が変わった」と連呼するのに釣られる形でレーシックを受けてみた。

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手術前の視力は両目とも約0.1。
2,3年前までは0.4/0.2くらいあったので、必要なときだけ眼鏡やコンタクトをつけていたのだけど、ここ数年で近視が悪化してしまい、眼鏡をつけることが常態化してしまっていた。

見え方が変わってしまう上に視界の一部が遮られる眼鏡は嫌い(見た目も)。
スポーツする時に使っていたコンタクト(使い捨てタイプ)も、目が乾いたり赤目になったりする上に、ロードで思いっきり走っていると外れがち(よりにもよってよくレース中で外れる)で、レーシックには前々から興味があった。


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レーシックがメジャーになって時間が経って(20年くらい)、身の回りでも成功例の話をたくさん聞くようになり、昨年の夏頃に手術を受けた職場の同期が割引クーポンをくれるというので本格的にレーシックを受けることを検討開始。

同期に話を聞いたり、ウェブ界隈でいろいろ情報収集して、場合によっては多少の副作用が出ることも理解しつつ、技術として枯れてきていることと、眼鏡やコンタクトからおさらばできるという圧倒的なメリットに惹かれる形で検査を受けることを決意。

受けたのは、品川近視クリニックのアマリスZレーシックというメニュー。ここは「品川」と名がつくのになぜか有楽町にあるクリニックで、実績では国内ナンバーワンとのこと。

検査の予約は、インターネットから希望日を入力するとクリニックから電話がかかってくる形。注意事項等を教えてもらって予約完了。

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検査当日はクーポンと身分証明を忘れずに持参し、受付で必要事項を記入してから検査。平日に受けたので人はそんなに多くなくて、待ち時間でストレスを感じることはほとんどなかった。

検査器がずらりと並んだ検査室で30分ほどかけて適正検査&詳細な視力検査を受けて、瞳孔を開く点眼液をさされて効果が出るまでの時間にメニューの説明を受ける。

角膜の大部分を占める角膜実質層を削って焦点を適切にする、というのがレーシック手術の根幹。角膜実質層の上で角膜を保護する役目をしているのが上皮細胞層とボウマン層で、レーシック手術ではこれをペロリとフラップ状に切り取ってから角膜実質層を削り、フラップを戻す・・・という流れになる。

このフラップを切り取るレーザー装置の精度と、角膜実質層を削るレーザーの精度+照射時間(短ければ短いほどエラーが少ない)、さらに担当するドクターの経験によってメニューの差別化が図られている。

メニューは5つで、視力回復という面では最新式と旧型に大きな違いはないとのこと。ただし、一番安いやつは軽度の近視にしか対応できず、二番目に安いやつだとフラップを作ってから部屋の移動が発生するらしく、イマドキの患者はみな上位三つのメニューを選ぶことが多いらしい。

クーポンをくれた同期の言っていたとおり、暗に「一番高いメニューがおすすめですよ」というニュアンスで説明が行われるのだけど、値段の差ほどのメリットを感じられなかったので、上から二つ目のアマリスZレーシックを選択。もうひとつ下のグレードのものでもよかったのだけど、一生使っていく目なので変にケチることもないかなーと考えた。

・・・とはいえ、冷静になって考えると、下から2番目のイントラレーシックも3番目のレーザーも、充分に実績のある方式なわけで、精度が高いとか照射時間が短いとか部屋の移動が発生するとか言っても「実質的に問題はないでしょー」と考えるのもありだと思った。ま、この辺は数万円の価格差をどう捉えるか、というところなのでしょう。

このメニューの説明に限らず、やたらとデカいクリニックの規模や、ベルトコンベア式で行われる検査、次に行われる検査・試験・診察がどういう意味を持っているかの説明不足感などなど、「なんだかなー」と思わされる部分は多かった。レーシックという確立した技術で最大の収益を得るために、ありとあらゆること(最新鋭機材の導入・美人女子による説明など)をやっているなーという印象で、この手の営業形態はあんまり長続きしないのでは・・・と、他人ごとながら心配になった。ま、一患者からの視点から見れば、自分の手術を滞りなくやってもらって、問題が起きたとしてもアフターケアしてもらえる体制が整ってれば特に文句はないんですけど、ね。

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説明を受けた後は、再び軽い検査&点眼を受けてからドクターの診察を受ける。レーシックでは角膜を削るので、当然ながら角膜の厚さが十分にない場合は手術を受けることができない。一般的な日本人は角膜の厚さが520?mくらいあるらしいのだけど、自分は550?mあるとのことで問題なしと教えられた。

削る角膜の厚さは視力の度合い(D(ジオプター)) * 14μmで求められるとのことで、自分-5Dなので5*14=70μm削る、ということになり、残った角膜の厚さは480μmになるらしい。

ちなみに、このクリニックでは日本人の1000人に1人がもっているというアベリーノ角膜症のDNA検査を行っている。アベリーノ角膜症であると診断された場合は、レーシック手術によって症状の悪化が早まるとのことで手術が受けられなくなるとのこと。検査は任意で、検査費用にかかる1万円は手術を受ければ返ってくる、という仕組み。

恐らくこれは「とりあえず検査は受けたけど、手術はどうしようかしら」という人を「でも、DNA検査に1万円払っちゃったし」という気にさせる意味が強いのではないか・・・と思う。手術の予約まで入れておいて、手術前になってビビってドタキャンって人もいるような気がするので、大手のクリニックでこれを実施するのは理にかなってる。

ドクターのOKをもらったので受付に戻り、手術を受ける意志があることを告げて手術の予約を行う。手術の翌日の検診が義務づけられているのでその予約も一緒に行い、1週間後の定期検診の予約も済ませておく。

手術当日の注意事項や、リーフレット、同意書、手術前人からさす点眼液等をもらい、DNA検査費用の1万円を払って検査終了。所要時間は約2時間。瞳孔を開く薬の影響が5-6時間ほどあるので、しばらくは近くが見えにくかったり、点光源が星になったり・・・という副作用が出るので検査が終わった後は大人しく家に帰るのが正解だと思った。

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気になるスポーツへの影響だけど、手術後はフラップが不安定になるらしく、1週間は基本的に運動禁止。さらに、目に汗が入ったり(炎症が起きる)、目に強い衝撃を受けるリスク(フラップがずれる)のあるような激しい運動は、原則的に1ヶ月避けた方がよいとのこと。

軽い運動=ジョギング、ゴルフ
激しい運動=球技全般、格闘技など

という分類みたい。

1週間後の定期検診で様子を見て、経過が順調であれば条件は緩和されるらしく、クーポンをくれた同期は1週間後からジム通いに復帰していた。休んでしまうと顕著に弱くなってしまう自転車競技の場合、少なくとも室内のローラーくらいは1週間で再開したいなーというところ。


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さて、人生が変わる体験はあるのでしょうかね?

手術・その後編に続く・・・。

レーシックを受けてみた (検査編)」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: Tweets that mention レーシックを受けてみた (検査編) ? 鈍行・中目黒の自転車メモ 2 -- Topsy.com

  2. LASIK、10年前に杉田眼科で受けようとしましたが円錐角膜なので断念しました。
    そのときに言われたことですが、古くからあって技術的に確立された施術であ
    るものの、40歳を過ぎてから手術すると老眼を前倒しさせてしまうことが
    多いとのこと。
    30代前半で施術しておけば少なくとも10年は恩恵を受けられると思います。
    おじいちゃんになったときも、常時遠近両用じゃなく、文字を読むときだけ
    普通の老眼鏡で済むっていうのは良いね。

  3. > ba-mosさん
    そうそう、老眼になってからのリスクについては自分も考えました。
    近視のままだと遠くが見えなくて近くも見えづらくなって、近視を矯正すると今度は遠くは見えるけど近くが全然見えない・・・ということになるみたいです。
    とはいえ、50過ぎの人で強度の近視だった知り合いの人の場合、もともとがあまりに見えていなかったために、レーシックによって全体的によく見えるようになって感動!・・・みたいな話も聞きました。

    その人の近視の度合い、乱視の度合い、角膜の状態、ライフスタイル、考え方・・・などなど、全てひっくるめて考えないといけないので、ベルトコンベア式で十把一絡げにして扱われることには危険を感じています。とはいえ、オーダーメイドで徹底的にその人にあった施術をしたとしても全てがうまくいくというわけでもなさそうですし、多かれ少なかれロシアンルーレット的なところもあるのがレーシックなのかなーと思っています。

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