「次のレベル」 私的解説

こないだ翻訳した「次のレベル」のニーズが結構高かったようなので、自分なりにこの記事について考えてみる。

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まず、全ての自転車乗りにとって「FTPの向上=競技レベルの向上」である、というのは間違いないところだと思う。周りを見回してみて、例えばFTPで4.5W/kg以上ある人は「登りをある程度こなせる人」だという認識があるし、FTPで300W以上ある人たちは「平地でもどこでも強いなぁ」と感じる。・・・ま、あくまでこれはアマチュアレベルでの話だけど。

練習内容ということで考えると、例えば某スイーツ系レーサーや、某ヒルクライムチャンプなど、いかにもFTPの高そうな走りをする人たちは、それぞれ自分たちなりの方法論で「次のレベル」に書かれているようなことをやっているんじゃないかと思う。つまり、FTP強度で1時間以上の練習をレギュラーにこなしている、ということ(一部又聞きだけど)だ。なんとなくだけど、「FTPが300Wである=普段から300Wで1時間走ができる」わけではなくて、人によっては270Wしかできなかったり、280Wでしかできなかったり・・・ということになるんじゃないかと思う。

高いFTPを得られればレースでより有利になるのは自明なことだとして、なぜFTP向上が難しいか、という理由がまさにこれ。ロングライドにでかけるのは愉快だし、仲間と千切りあうのもエキサイティング。こういう楽しさを全て忘れて、ひたすらFTP向上のためにあなたの自転車ライフを捧げることができますか・・・という質問への答えがヒルクライムで勝てるか勝てないかの違いになってくるんじゃないかと思う。

そう考えると、普段からの練習スタイルによってレーサーのタイプは作られるのではないか、という気がしてくる。もちろん先天的な体格・体質の影響はあるとは思うのだけど、それ以上に普段やっている練習がものをいう世界なのではないか、と。ひたすらロングライドが好きな人、ドンパチするのが好きな人、淡々と練習して結果を出すのが好きな人・・・色んな好みはあるけれど、その人の性格や周りの環境、それにモチベーションがサイクリスト(レーサー)の特徴になってくるのでしょう。

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・・・と同時に、高いFTPは自転車乗りとしての基礎体力みたいなものなので、あくまで「強さ」のバロメーターにしかならない。ロードレースはテクニックや精神力が大きく響いてくる競技だから、高いFTPだけではレースについていけても「勝つ」ことは難しい。このあたりは、普段から強い仲間達と練習したり、レースで経験を積んでいくことでしか得られないものがあるのだと思う。

まとまりのない文章になってしまったけれど、いずれにせよレースである程度走るためにはそれなりのFTPが必要で、ヒルクライムで勝つにはもっと高いFTPが必要で、でも自転車ライフは色んな楽しみがあるけどどうしよう、ということになるのだと思う。

うーん、難しい。