Race in Thailand(4)

Tour of Friendship、ステージ3を終えました。

今日のステージは170kmの山岳コース。ステージ2のゴール手前にあった100mの丘を最初に登り、次に150mほどの登りをこなし、そこから400m程度のゆるやかながらもそこそこ標高差のある登りをループを2周回してから最初に登った100mの丘を超えて下り基調でゴールというレイアウト。登りの長さや回数などを考えると、おきなわ140kmと210kmの間くらいの難易度でしょうか。


FTP340Wとか370Wなんていう信じられない言葉が聞こえてくる欧米人レーサーたちも、さすがに登りではそこまで強くはないだろう…という希望的観測で、自分の目標としては一回目の周回の登りを無事にクリアして、2回目の登り口くらいまで行けたらいいなぁ…という気持ちで走りました。

出走してすぐに一つ目の丘があり、早くもここで少し集団がわかれてしまったものの、自分は第二集団に入ったので下りでしばらくして本体に合流。集団のペースが落ちたので、ほどなくしてその次の集団も合流。平地では誰も積極的に引こうとしないのでペースが上がることは少ないまま2つ目の登りに突入。ここでペースがあがったので集団から少し遅れてしまい、その後のアップダウンでもペースを上げられないままに集団との150mほどの距離が縮まらず、「残り140kmをグルペットで走るのか…」と絶望的な気分に。

そこで幸運にもパワーのある欧米人選手とインドの選手(Specializedのコンチネンタルチームらしく、ジャージからバイクから靴まで全部揃っていて格好良い)が後ろから来たので3人組になり、途中でもう一人のインド人選手と合流して集団との距離を縮めていき、集団の後ろのサポートバンの隊列を活用したりしつつ、どうにかこうにか集団に復帰。この時点で集団は25人くらいまで絞れてました。

そこから先はゆるい登りと下りを繰り返すアップダウンで、サイクリングペースになったかと思いきやリーダージャージの選手が動こうとしたのにチェイスがかかって一列棒状になったり…という展開。リーダーチームはオーストラリアの欧米人チームなのですが、常にリーダーの前に1,2人つけて守っていて、なかなか頑張ってますなーという感じ。GCはリー選手が2位で、Forzaの武井さんが3位。

46kmあたりから一本目の登りが始まりますが、斜度が3,4%くらいしかないので集団効果が大きく、序盤から数名が飛び出してそれを集団が容認する形になったので、リーダーチームがコントロールして落ち着いたペース。自分はというと、中盤すぎくらいまでは余裕があったものの、山を登り切る手前あたりから足が動かなくなってきて、集団後方へズブズブ。集団最高尾付近で様子を見ていた武井さんに「がんばって」と言われ、根性のダンシングでやや高めの斜度の区間をクリア。あとは平坦っぽくなって小さい登りを2つほど越せば下り…というところだったのですが、ここでちょっと前を走っていたよっしーさんの前輪が「バス!」っとパンク。これが62kmあたり。

武井さんが集団に声をかけてくれた隙にF井さんと自分が一緒にストップ。足が攣っていて、ついていくことだけしかできなさそうだった自分がホイールを差し出して二人に行ってもらいました。結果的によっしーさんはミスコースで最終局面に絡めず、GCでも厳しい状態になってしまったようですが、アシストとしての仕事ができたのはよかったかなと思います。日本国内では数少ないアマチュア向けのステージレース、木祖村2daysのウェブページにエースのためにアシストが集団に残り続けることの重要性を説いた 秀逸な記事 に「そこにいてくれるだけでいいから」という表現がありますが、まさにそんな感じでしょうか。

で、ホイールを差し出してからがなかなか大変。このレースでは専属のチームバンを借りられるのですが、「いらないだろう」となめて考えていたおかげで会場間の移動などがちょっぴり厄介で、しかもニュートラルサポートがない中でスペアホイールもなく、いつまで経ってもサポートを受けられず。あとからスタートしたカテゴリーをほぼ全て見送ったあとも回収車らしきものが来ないので、水の補給バイク(このレースでは、手をあげると集団の後ろのついている水の補給バイクがペットボトルを渡してくれるのです)に止まってもらってタイ語で相談。「ホテルまで連れて行ってくれ」とお願いすると、「後ろに乗れ」というので、なんと自転車を担いでバイク(300ccくらいの中型(?))の後ろに乗り、60kmくらいあるホテルまでの道のりを根性で耐えて無事に帰還。

レースは2回目の登りで飛び出した武井さんが逃げてたグループに合流し、そのままゴールまで時間差を維持してスプリント勝利。リー選手も一緒だったのでおそらく総合はリー選手で、武井さんが二位という状態。チームCBではKohさんがリーダージャージのいるメイン集団(といっても13人くらいしか残ってなかったようですが)でゴール。明日は今日のループ区間が逆周りで、長めの登りの斜度がより高くなるので難易度は高く、さらに最後はその登りのKOMポイントがゴールなので盛り上がったレース内容になりそうです。明日はどこまで生き残れるか…。

そんなこんなで、楽しいレースは続きます。