Herne Hill Velodromeでトラック走行を初体験
ロンドンの姉の家の近所にあるHerne Hill Velodromeでトラック走行を初体験してみた。
Herne Hill Velodromeは1891年に作られた世界最古の野外式ベロドローム。真ん中の芝生はもともとテニスコートで、後にサッカーグラウンドに改修されたようなのだけど今ではもう使われていないとのこと。F.C.バルセロナ博物館@カンプノウに「19世紀末期の大衆スポーツ勃興期にHerne Hill Velodromeが云々・・・」という展示があったので、その当時としては最新式のスポーツ施設だったのだろう(バルサの設立も1899年と古い)。
この歴史あるベロドローム、現在ではここをメインに活動しているVCLというクラブがボランティアベースで様々なセッションを運営している。トラック自体はしっかりメンテされているようだけど、周りの設備は大分老朽化が進んでいて、自治体がお金を出して修理するとかしないとか議論が進んでいるとのこと。ロンドン市内のトラック設備はここしかないらしく、2012年のロンドン五輪で利用にあわせて改修するという話があったようなのだけど、最終的にはオリンピック公園の中に新しいトラック施設を作ることに落ち着いたようだ。
自分&義兄(イギリス人)が参加したのは土曜日の9時からの初心者向けセッション。いかにも「自転車大好き」という雰囲気のおじさん達が運営していて、連絡先を記入して£4払うと自転車やヘルメットを貸してくれる。
自転車はもちろん固定ギアのトラックレーサーで、クラブの人が大量にストックされている中からサイズの合いそうなやつを適当に見繕ってくれる。クイッククランプがついているものが多く、サドルの高さをその場で調整して準備完了。ペダルもトークリップなので、適当な靴で問題なし。
トラックを走るのが初めてでも参加できるとあって、クラブの人がサポート&解説しながらセッションが進行する。走行前にトークリップがしっかり締まっていることと、靴ひもが遊んでいないことを確認してもらい、走行時の注意点を聞いてからとりあえずみんなで一周流し。その次は一番内側の黒ライン(通常走行用)を走り、黒ラインの外側の青ライン(追い抜き用)を走り、さらにトラックの外周部を走って参加者が自転車をコントロールできていることを確認してから一旦ストップ。
ここで自信のある人、余裕のある人、余裕のない人の3グループに分かれて、半周ごとにローテーションをからめる集団走行にチャレンジ。トライアスリートでもある義兄&自分は自信のあるグループに混じって何回かローテーションを回して気持ちよく走行・・・していたのだけど、昼過ぎの飛行機に乗らねばならなかったので、クラブの人に礼を言って途中退出。集団走行の後はレースっぽいことをやらせてもらえるという話だったので、残念ではあったのだけど飛行機に遅れるのはアホ過ぎるので諦めた。
(黄色いベストのおっちゃんがコーチ。先頭周辺でローテーションの指示を出してくれた。小太りだけど、さりげなく足にいい筋肉がついてる)
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トラックを走ってみた感想としては
- ひたすらグルグル走り続けられて楽しい!
- バンク部分は思ってたより普通に走れる
- 固定ギアは慣れれば問題なし
- 集団走行には慣れが必要
・・・ってなところ。
ブレーキがついてないので「止まれないのではないか」という恐怖感ゆえに前走者との間隔を空けがちに走っていたのだけど、よくよく考えると「全員ブレーキがついてない=突然の減速はない」わけで、もっと近づいても大丈夫だったのだな~と反省。逆に言うと、ブレーキ付きの自転車が混じるのは危険ってことらしい。
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こういう素敵なイベントが毎週開かれているのは実にイケているなぁと感じる。9時からのセッションは子供と大人が変わりばんこに走るようになっているのだけど、子供でも初心者でも参加できる敷居の低さといい、クラブの人たちの熱心さといい、実に気持ちよくトラック走行を初体験することができた。
あまり走る機会のないトラックだけど、トラックにはトラック独特の面白さがあることを実感。何にも邪魔されずに思う存分自転車レースができるという意味で、トラックは最高の遊び場なんじゃないかな~と思う。
日本にも競輪場があちこちにあるので、もし機会があれば走ってみたいものだ。