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The Rider 再び

Raphaのインスピレーション」とされるTim Krabbeの"The Rider"を再読。

初めて読んだときはロードレース未体験だったのだけど、ロードレースを走る人の心境がある程度分かってくると、ひとつひとつの細かいエピソードがより深い実感をもって受け取れることに気づいた。レース中の微妙な心理の変化がさりげないタッチで淡々と描かれているのだけど、この描写こそが"The Rider"に特別な評価を与えているのだろうと思う。

さらに、歴史に名を残るレーサー達の戦歴や人となりがある程度頭に入った状態で読むと、ジャズ・アネクドーツ@ビル クロウ的な楽しみ方もできるところも魅力。

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個人的に好きな部分を書き出してみると、こんな感じ。

P.17
私は「逃げを容認」という表現がひどく嫌いだ。なぜかというと、この表現を使うのはえてして「逃げを容認」されるために必要になる途方もない力に関して理解がない人たちだからだ。

P.19
自転車レースとは忍耐のスポーツだ。ハニー・クイパー曰く、"レースとは、自分の皿をはじめる前に相手の皿をきれいになめ尽くすこと"

P.69
ロードレースは文明による腐敗の影響を受けない人生の縮図ということができる。もし自分の敵が地面に寝っ転がっていたら、どういった行動を取るべきだろう?立ち上がるのを手伝うべきだろうか?
ロードレースの場合、蹴り殺してしまうのが正しい選択となる。

P.119
相互的自滅のテーマ再び、である。自転車レースではお馴染みのテーマだ。勝ったレースより負けたレースのほうが多い。ここで疑問が登場する。Reilhanはどのくらい勝ちたいのだろう?Reilhanは自分がどのくらい勝ちたいと思っているのだろう?Reilhanは自分がKleverが勝つことについてどう思っているのだろう?そもそも自分はKleverが勝つことをどう思っているのだろう?


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コメント (2)

sammy:

面白そうなのでAmazon UKで注文してみました。こちらだと5ポンドちょっとと安いですし。

yama-kei:

> sammyさん
The Rider、英語圏ではよく読まれている小説みたいです。
ロードレースに興味のある人であれば楽しく読めると思います。

"Tomorrow, We Ride"や"In Search of Robert Millar"あたりも面白そうなので、近日中に読んでみようと思ってます。

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2010年01月27日 09:23に投稿されたエントリーのページです。

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