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When the going gets tough

Raphaから冬物のカタログが届いた。

かっこいいカタログが届くと物欲が疼く。
自転車にハマってることを差し引いても、Raphaというメーカーが持っている洗練された雰囲気は、抗いがたい何かを持っているような気がする。

ちなみに、Raphaはここで住所を登録しておくと、ニュースレターを送ってくれる。Raphaの自転車競技に対する姿勢orブランド哲学は、このあたりにまとまっているので、興味のある人は読んでみるとよいかも。

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上のページで「最高のロードレーシングの小説」「Raphaのインスピレーションです」と絶賛されているオランダ人作家Tim Krabbé による小説"The Rider"。ずっと前に姉の夫(イギリス人)に紹介されて読んだのだけど、改めて読んでみたくなったので、久しぶりに手に取ってみた。

小説の舞台は1977年にフランスで行われた架空のロードレース。山岳ありの137kmを疾走するレースで、次々と変わっていくレース状況や、主人公の心境や周りの選手の描写が生々しくて実にリアル。当時のアマチュアレーサーが速度を計るために苦労する話(当然、当時は速度計なんてものはない)や、大自然の中を駆け抜けていく爽快感、それにロードレースというタフで過酷な競技で、いかにレーサーの肉体的・精神的強さが試されるか、といったことがさりげないタッチで描かれている。さらに、小説をより一層魅力的にしているのが、物語の途中に挿入されるちょっとした小話。

たとえば、こんな話。


ツール・ド・フランスで5勝したJack Anquetilは、いつも登りが始まる前にボトルをホルダーから取り出して、背中のポケットに突っ込んでいた。チームメイトのオランダ人Ab Geldermansは、何年もそれを見ていて、ある時我慢ができなくなってなぜそうするのかを彼に尋ねた。Anquetilの説明はこうだ。

自転車乗りとは、人と自転車の二つのパーツによって構成されている。当然のことながら、自転車は人が速く走るための道具であって、少しでも重いことはその分遅くなることを意味する。タフな局面では特にこの傾向が強いので(That really counts when the going gets tough)、登りではできる限り自転車を軽くすることが何よりも肝要となる。これを実現するよい方法とは、すなわちボトルをホルダーから取り外すことである。

それゆえに、Anquetilは登りが始まる度にボトルをホルダーからポケットに移していたのだ。明快な説明である。


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2009年11月06日 07:07に投稿されたエントリーのページです。

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