http://nyvelocity.com/content/equipment/2009/rich-sawiris-master-wheelbuilder
インタビューが載ってた。
もともと彼はトヨタで車のエンジニアをしていた人で、バイクのホイールを組む仕事をしていたこともあるらしい。自転車のレースも大好きで、「好きなことやるべ~」と、ホイールに特化した会社(wheelbuilder.com)を立ち上げたのだそうだ。
wheelbuilder.comは、女子の個人TT世界チャンプのKristin Armstrongや、世界中のプロ・アマ選手のホイールを組んでいることでも知られていて、今では複数の社員を抱えて日々ホイール作りに励んでいるとのこと。
前にPowertapホイールをオーダーした際に質問した時は、Richさん本人がサクサクと返事をしてくれてなかなか好印象だった。
興味深かったところを切り出してみると・・・
- 長く使えるホイールを組むには、テンションを均等にするのが大切。「見た目だけまっすぐ」なホイールは駄目。テンションが均一でないと、テンションが弱いスポークに負荷がかかって破断しやすい。テンションメーターはあったほうがよい。
- Sapim CX Rayは何よりも引っ張り強度が素晴らしい。さらに、ブレード状になっていてスポークのねじれが一目瞭然であることも、ホイールを組む側に取って大きなメリット(もちろん空力的にも)。
- フルカーボンクリンチャーは悪くないけど、オールマイティーではない。例えば、雨天でのブレーキパフォーマンスに関しては期待しない方がよい。熱にも弱い。
(そういえば、最近読んだweight weenieのスレッドでも、EDGEの1.68クリンチャーが溶けてた。まぁ、体重88kgで20%の坂をゆっくり下ったら、カーボンクリンチャーじゃなくてもヤバいことになりそうな気がするけれど・・・。いずれにせよ、クリンチャーは構造的にリムに強い力がかかるから、それに耐えられる強度を保つためにどうしても重くなってしまうみたい。)
- MTB用のPowerTapハブや、トラック用のPowerTapハブの開発に協力した。マーケットの小さなトラック用に関しては、Sarisの許可を得てwheelbuilder.comが販売を担当している。
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wheelbuilder.comでトラック用のPowermeterがやたらとフィーチャーされてて不思議に思っていたのだけど、開発に協力していたとは知らなかった・・・。なんつ~か、自転車業界ってこういう狭い社会の中でビジネスが回ってるところが面白いですね。
カーボンリムや少ないスポーク数で品質の高い手組みホイールを組むには、様々なノウハウが必要になるようなので、自分でチョイスしたパーツを使って尖ったホイールを組もうと思った場合、wheelbuilder.comのような会社の存在意義は大きくなる。さらに、Powertapのようなハブのみ&ニーズの高いパーツは、彼らのビジネスにとって大きな後押しになっているのではないかと感じた。