08/02 モミソ沢
束の間の休日
相変わらず仕事が忙しい。梅雨が明けて以来自転車通勤なので、仕事が長引くのに合わせてついつい夜遅くまで残ってしまい、ここしばらく3時(朝)帰りの1時(昼)出社というありえない生活が身に付いてしまった。
今週はカレンダー上は夏休みで、水曜日は「休みます」宣言していたものの絶望的にやらなければならないことがあったので完全休日を諦めて半日を沢登りに費やして夕方から会社に行く、という無茶苦茶な計画を実行することにした。
モミソ沢は丹沢の水無川に流れ込んでいるささやかな沢で、岩登りの練習場所として有名な「懸垂岩のある沢」といったほうが通じるのかも知れない。
ここならば単独行で突破することができそうな上にそれなりに登りがいもありそうだと考えて、3時帰宅で準備を整えて4時就寝、6時に起きて渋沢を目指した。
渋沢からは中高年登山者と一緒にバスに揺られ、大倉から立派な吊り橋を越えて林道をてけてけと歩いていく。
山に登るのは4月の谷川岳以来。少し飛ばしすぎたせいか少し疲れが早い。
竜神の泉でのどを潤し、水筒に水を詰めてまた歩き、新芽山荘を越えて少し行ったあたりにある下降点からモミソ沢の入渓点へと慎重に下る。
睡眠不足のせいか、体が思うように動かない・・・。
今日は世間的には普通の平日なので、林道にも懸垂岩にも登山者の姿はない。
久しぶりの懸垂岩の前で沢靴に履き替え、ヘルメットを装着。
それにしてもモミソ沢は可哀想なくらいに貧相な沢で、懸垂岩の横を申し訳なさそうにチロチロと流れている。
流れに足を放り込んだときの冷たい水の感触と、これからの登攀への期待でさっきまでの疲れが一挙に吹っ飛んだ。
狭い入り口から沢へと入っていくと、ちょこちょこと登りがいのある滝が出てくる。
別段難しいというほどのものではないのだけれど、単独であることによるミスへの恐怖と、久しぶりに岩を触る感覚とが混じり合ってぎこちないムーブが多くなってしまったような気がする。
水量は少ないものの、じゃぶじゃぶと水をけっ飛ばして行く楽しみはあるし、何本かの滝ではちょっとしたシャワークライミング気分を楽しむことができた。
最後の大滝に辿り着くまでに、3,4本の滝でなかなかスリルのある登攀に汗を流すことになった。大滝の直前の3段では、2段目の途中で右足ふくらはぎがつりかけたため、騙し騙し登る恐怖を味わった。
大滝は滝全体が逆層になっている上に落ち口の部分が被っているので、予定通り巻くことにして今日の遡行を終了。そのまま詰め上がるつもりだったのだけれど、しばらく行った先がふさがっているように思えたので、途中で左側に巻き登って稜線を目指す。
・・・が、これが大きな失敗だった。
柔らかい土の急斜面を沢靴で登るのが大変だったので、気持ちの良い尾根状になっているところで腰をおろして小休止。
ずぶ濡れのズボンから半ズボンに履き替え、沢靴も登山靴に履き替える。
美味しい水を飲んでおにぎりをほおばる。
とにかく静かで人気もなく、とても気分の良い時間を過ごすことができた。
しばらく休んで元気も出てきたので、再度急斜面を登って大倉尾根を目指す。
トレースのあるヤブ漕ぎを越えると鹿避けのフェンスに出くわしたので、フェンス沿いに登っていく・・・。
やたらと歩きにくい急斜面で、今日の行程の中ではこのあたりが一番キツかったように思う。
しばらく歩くとようやく大倉尾根に合流。大倉尾根では遭難者が多いのか、「救助を呼ぶ際にはここの番号をお知らせ下さい」という看板がある。
合流した地点の番号は25番だった。
霧も出てきていて天気も悪いそうなので、大倉尾根は適当にかっ飛ばして下る。
・・・が、ところどころ階段状になっていて、下手に石ころなんかが敷かれたりしていてやたらと歩きにくい。
ペースが上がらないままに大倉に到着。
バスを待つ間、売店でビールを買っておにぎりをほおばりながら、しばらくゆったりとした時間を楽しんだ。
バスに乗って渋沢に出て、一旦自宅に帰ってお風呂に入り、すぐに自転車に乗って会社に出た。
本当に束の間の休日だったけれど、久しぶりに岩を掴んで登っていく感覚を楽しむことができる楽しい山行だった。


